何て事しやがる・・・!或いは、「せめて、人間らしく」

最近このブログに、ずいぶんとマジメな話題ばかり取り上げて

しまった気がして、ちょいと反省してます。

本来はお笑い系で進めて行きたいと思ってるんですが・・・・・。

だが、それでも、やっぱり「看過できない事」

ってのは色々ある訳でして・・・・・。

すいません、今日もそういうマジメな話です。ごめんなさい。

さて、みなさん、このビデオが何だかわかりますか?

何故かBGMにエルビスが流れてますが、現場はイラクです。

イラク戦争で、アメリカに戦闘員として雇用されたイギリス

の某警備会社に所属する傭兵たちが、面白半分にゲラゲラ

笑いながら、道路を走る一般車両に向けてアサルトライフル

無差別射撃してる、その現場のビデオです。

相手は一般車両ですから、当然非戦闘員ですし、

女性や子供も乗っているかもしれません。

何て事をしやがるんだ!!

・・・・・と、思いませんか?

自分はアタマがくーらくらしました。

「これが俺たちと同じ人間のする事かよー!!」

と、あまりの怒りに眩暈さえ覚えました。

でも、やはり、私たちと同じ人間のする事なんです

このイギリス人たちだって、本国に戻れば、愛する家族や子供が

いたりする、いたって良識的で一般的な市民なんでしょう。

19、20世紀に入り、近代的兵器の導入以降、

戦争はもはや「英雄の活躍する場所」とはお世辞にも言えない空間

になりました。

そこに参加する人々は、どこか自分をイカレさせないと、

己の良心を麻痺させないと、とてもじゃないが正気を保てない、

そんな狂気に満ちた場所と化した訳です。

太平洋戦争時の日本軍の中国における蛮行の数々だって、

ポルポト派によるカンボジアでの大虐殺だって、私たちと同じ人間が

やった事です。それが「近代戦」という物の正体。

綺麗事じゃすみませんよね。どう取り繕っても美化はできない。

いささか余談めいた話になりますが、昨年の暮れ、イラク戦争に志願した後、

脱走兵となってカナダに亡命したアメリカ人青年の

ドキュメンタリー映像を観ました。

彼はアメリカの労働者階級に生まれました。そして同じ労働者階級

の女性と結婚し、子供も生まれました。

当然の様に、彼の暮らしは楽ではありませんでした。

イラク戦争に志願すれば、大学入学資格がもらえる。

大学を出れば、今よりも良い職に就ける」

そんな経済的事情からイラクへの出兵に参加したのですが、

そこで彼が見た物は、非戦闘員の一般のイラクの人々を、

同僚のアメリカ人兵士たちが単なる娯楽としてふざけ

ながらなぶり殺している、悪夢の様な光景でした。

彼はそんな狂った状況に耐えられなくなり、一時帰国の際に脱走兵となって

単身カナダに逃げ、結果として今はもう、アメリカには戻れない身の上です。

本国に戻れば、軍法会議にかけられ、敵前逃亡兵として極刑

が架されるからです。

今はカナダの反戦団体の援助で、農村の下働きの様な仕事を

紹介してもらって糊口をしのいでいますが、

やはり生活はとても苦しく、また、アメリカ政府からは身柄の

引渡し請求がカナダ政府に対して行われているので、

カナダにもいつまでいられるかわかりません。

今後の、彼の身の安全はまったく保証されていません。

そして彼は今でも毎晩の様に、イラクで見た惨状を夢に

見てうなされるそうです。

彼はごく普通で善良な、一般的アメリカ国民です。

一体、何が彼をアメリカに帰れなくしたのでしょう?

彼は、無意味な人殺しをしたくなかった、それに加担し

たくなかった、ただそれだけなのに。

誰が彼と彼の家族の未来を奪ったのでしょう?

普通の人ならば、憤りを感じなければおかしい様な出来事が日常茶飯となり、

それに加わる事を拒否すると、国を追われ、帰る場所の無い身と

なる。

彼の意思がもし正義でないとすれば、一体何が正義なのか?

彼がもし「善良なアメリカ人」ではないとしたら、

一体誰が「善良なアメリカ人」なのでしょう?

・・・・・・この現実世界は実に理不尽です。

でも、その理不尽な現状に私たちも加担している事を

自覚するべきなのでしょう。

日本は、アメリカのイラク派兵への前線基地として機能していますから。

上記のビデオをこのブログに貼り付ける事で、

特に何かが変わる訳ではありません。

ですが、この憤りは私のブログをお読みの方には何とぞ共有していただきた

く思います。

「何て事しやがるんだ・・・・面白半分に人を殺すんじゃねーよ!」

と。

・・・「人間らしさ」ってのは何でしょうね?