零細企業役員のルサンチマンを思い知れ!!

なーんちって。

まあ色々思う所があったんですけど、4月1日をもってmixiを退会しようかと考えてます。

理由としては、既にネット上では(そしてもちろんmixi内でも)かなりの騒ぎになっている、

mixi利用規約の改定なんですけども、ここ数日、私自身が多忙であった為、

mixiにまったくログインしておらず、

つい昨日までこんな騒動があったとは全然知りませんでした。

つーか、まだ知らない人も、いるかも・・・・・?

で、この4月1日から施行される、問題の利用規約18条なんですが。

こんな物です。


1. 本サービスを利用して、ユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。

2. ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。


もう何やら突っ込み所満載で、どこから突っ込んでいいのか・・・・というか、

とにかくあきれ果てるしかないこの条項。

で、映画評論家、町山智浩氏が3月3日付けの御本人のブログで、


オイラはミクシイの日記に、原稿を書く前の草稿や、プライベートな写真を載せているが、

それをミクシイに勝手に出版されても、文句は言えないということだ。

しかも、勝手に改変される可能性すらある!

オリジナルのイラストや写真、レビューやエッセイなどをUPしてる人、特にプロやセミプロはタダで使われちゃ困るんだよ。


と怒ってらっしゃる。文章だけで食べているプロのライターとしては至極もっともな憤りだと思う。

私も、現在は本職の文筆業者ではないものの、かつて複数の雑誌に商業原稿

を書かせてもらった経験があるので、町山氏の立腹は非常によく理解できる。

私の場合、mixiの日記機能は利用しておらず、このはてなダイアリーを外部ブログとしてリンク

させてるので(複数の日記を管理するのはメンドーですからね。まあ、それは

単に私の性格上の問題なんだが)、一見、あまり実害は無さそうにも見えるが、

この「日記等の情報」の”等 ”って部分が非常に気にかかる。

というか、もっとハッキリ書けば、「気に食わない」

ええっ!?じゃあオレが書いたアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのDVD

やGreat Lakes Myth SocietyのCDのレビューなんかは!?

殊にノイバウテンなんて、本国のドイツではいざ知らず、今の日本では

一部の好事家しか聴かないバンドなんで、

「日本盤のDVDが出たのは嬉しいけど、全然売れなかったらマズイよなあ・・・・」

とかなりの切迫感をもって無償でレビューを書いたのに!

(まあ、mixiのレビューだからノーギャラなのは当たり前ですが。でも案の定、

そのDVDについては私以外、誰一人としてレビューを書かなかった)

それが、mixiのお墨付きの下で引用元を明記せずに勝手にどこかに

使われたりしたら、いくら温厚なオレでもマジで怒るぞ!

それに自分が管理に関わってるコミュニティーもあるし(会員数約220人)、

積極的に発言してるコミュもいくつかあるし、そういうのも勝手に

流用されたらマジでシャレにならん!!

「泣ける2ちゃんねる」ならぬ、「マヌケで笑えるmixi」なんて本でも

出たりして・・・・・ってだからシャレになってないってーの!!

(この歳で自分ツッコミはしんどいなあ)

まったく、mixiはいつからジョージ・オーウェルの小説の舞台になったんだか。

また町山氏は、「プロやセミプロはタダで使われちゃ困るんだよ」と書いておられるが、

たとえば実際に、http://www11.ocn.ne.jp/~sabosabo/

こういうアニメの2次創作系のサイトを運営して、mixiにもほぼ毎日の様に

オリジナルのイラストを投稿しているセミプロの人なんかは、

「困る」を通り越してかなりの危機感を抱かざるを得ないんじゃないだろうか。

著作権を管理して守ってくれる出版社も何もこういう人たちには付いてないんだから。

(ちなみにこのサイト、「ざぼざぼ人生仮店舗」主宰の「み:つ」氏とは

私は直接の面識はないのだが、ちょっとした縁で氏が管理人代表をやっている

絵チャットの英文版注意書きを私が作成させて

もらったという経緯があって、その後、2次創作というジャンルやロリータ物のアニメの持つ問題点等

について氏とネット上で意見を交わしたりしている)


そして、この新規約の18条に対して大量のmixiユーザーから怒りの声が

上がったのだが、それに対して今月5日、mixi当局は以下の様に返答した。


 (今回の18条改定は)当社の以下対応について同意いただくもので、当社が無断で使用することではありません。

1 投稿された日記等の情報が、当社のサーバーに格納する際、データ形式や容量が改変されること。

2 アクセス数が多い日記等の情報については、データを複製して複数のサーバーに格納すること。

3 日記等の情報が他のユーザーによって閲覧される場合、当社のサーバーから国内外に存在するmixiユーザー(閲覧者)に向けて送信されること。



この、またしても「・・・・・・は・・・・?」

と思わず唖然としてしまう発表への町山智浩氏のブログでの反論が、

まるで「自分の脳内をハッキングされてるんじゃないか?」なんてアブナイ

妄想を抱いちゃいそうなまでに私の見解とほぼ同じなので、

またしても町山氏の文章を引用させていただきます。かなり長くなりますが。

町山智浩さん、スミマセン)



 以下、3月7日付け、町山氏のブログより。

はあ?

だったら、この三つをそのまま書けばよかったじゃん!

それに、この三つをいくら読んでもそれが以下の18条と関係があるようには読めない。

「 第18条 日記等の情報の使用許諾等

1本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。

2ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします」


この18条は「使用」についての規定だ。

ところが、その理由として後から示された三つは「データの格納」と「送信」についてなのだ。

「使用」について何も言ってない。

この釈明には、ユーザーを煙に巻いて、本当の意図を隠そうとするいかがわしさを感じる。

ユーザーが怒ったのはもちろん「使用」についてであって、「格納」云々なんかじゃないんだから。

ミクシイは後から「勝手に出版したりすることはない」とも説明したが、

ならば、いったいなぜ、「使用」を条項に加えたのか?

真の目的と動機は何なのか?

それを説明する必要がある。


今回のミクシイにあきれたのは以下の4つ。

1 ユーザーの「使用前提」の足元をすくった

オイラがこの「はてな」の他にミクシイを使っている理由は、それがクローズドだと信じていたからで、

それがミクシイの大きなセールスポイントだったはずだ。

だから、ミクシイは「友人のみに公開」にして、「はてな」には書けないプライベートなことや、原稿に書く前のメモ書きなどを書いていた。

それが「複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変」されると知ってたら、最初から書かないっての!

「他の人には見られない伝言板ですよ」と言われてそれを信じて使っていたら突然、「その伝言板に書かれた内容を私たちも使う権利があることにしました」と後から言われたのと同じじゃん。

 

 しかも、ミクシイは、かなりの量で一種の「出会い系」として使われている。

 他では公開できない性体験や、きわどい写真もUPされている。

 彼らは絶対に「使用する権利を許諾」なんかしてないよ。

 部屋につけたカメラで撮った映像を「複製、上映、公衆送信、展示」するかもしれないラブホテルには行かない人のほうが多いわけで。

 「人に見られたくない内容を書くほうが悪い」「お前の書くものに売られる価値はないから騒ぐな」などと書いている者もいるが、内容や価値とは関係ないよ。

 「勝手に公開したり売ったりしない」という「前提」で参加させた後でその「前提」を覆すのは不当だというだけの問題だ。

2 条文というものの意味がわかってない。

「使用する権利を許諾したものとする」と条文に書いた以上、

「でも出版する気はないです」と口でいくら言っても意味がない。

 条文はその条文自体が問題なのだ。

 その条文が、ミクシイによる勝手な出版の可能性を開く条文であること自体が問題なのだ。

 契約文というものは、その文章から想定できるすべての可能性を考慮して書かれなければならないし、読まねばならない。

 だから、オイラはその条文からストレートに想定できる事態を3月3日の日記のタイトルにしたんだよね。

「この文面だと、『出版する』と言ってるのと同じことじゃん!」と。

「あなたのものを私が売る権利を許諾したものとします」と書かれたら、「勝手に売る気かよ!」と怒るのが人として当然の反応だ。

 それに、後から「いや、許可なく売る気はありませんよ」などと説明されても、「売られる可能性」を許すことはできないよ。

3 過去の前例をまったくケーススタディしていない。

 実は同じような条文で、ユーザーが怒ったり、大量に辞めた件は、過去からあちこちで起こっている。

 ライブドアやここ「はてな」でもあった。

 今回のミクシイは、それからまったく学んでいない。

 そんな条文を、ユーザーの同意も得ずに一方的に加え、しかも遡及的に行使しようとしたら、

 いったいどんな反発を招くか予想もできなかったミクシイの経営能力は、非常に低いと判定せざるを得ない。

4 ユーザーこそが資産だということがわかっていない

 18条改定を発表した段階で、IT関係に詳しい投資家なら、ユーザー離れの可能性を予測できる。

 18条改定発表の直後からミクシイの株は下落し続けている。

 ユーザー離れだけでなく、それを予測できなかったミクシイの経営能力の評価も下がった。

 今回の18条改定は、ミクシイにあがっているコンテンツをミクシイが利用したいと考えたからなのは確実だが、実は、ミクシイの価値は、そのコンテンツにあるのではなく、ユーザーの数にある。

 「ユーザーはタダでミクシイを使わせてもらってるのに文句言うな」とか書いてる人はわかってない。

 タダだからこそ大量のユーザーが集まり、その数が会社の価値となり、株価を支えているのだ。

 ニュース・コープがマイスペースを莫大な金額で買ったが、その値段は、マイスペースのシステムではなくて、ユーザー数につけられたのだ。

 

 グーグルやマイクロソフト、ヤフーなどはミクシイを買いたいと思っているだろうし、数十億円で買うかもしれないが、その値段は、ミクシイのユーザー数に対してつけられる値段だ。

 システムではないし、コンテンツでもない。ましてや社員の人材でもないんだ。

 コンテンツを使いたいなんてセコい商売っ気よりも、ユーザーの数を減らさないようにすることのほうが重大だったと思うよ。

「文句があるなら辞めろ」ではなくて、「どんなことでもしますから辞めないでください」というくらいの態度でないとダメだ。ユーザーが減るたびに会社の価値が下がるんだから。

そのくらいのこと、わかってると思ったんだけどなあ……。


以上です。いやーしかしあの、「自分の見解とほとんど同じ」と書いといてその言葉と

矛盾するようなんですけど、

町山智浩さんってやっぱ、頭、いいですね。

自分の能力では「現在のmixiが抱えている問題点」をここまで平易かつ解りやすく

言説化できません。

で、更にですね。自分が感じたのは、「大企業の傲慢さ」だったんですよね。

mixiの現在の会員数は1300万人以上。日本のインターネット人口の八分の一、およそ

13%が利用してる訳で、これは押しも押されぬ大企業です。

日本のインターネット人口ってのはこれは法人も含めての概算で、

mixiの利用者は個人ユーザーがほとんどですから、実際には、

「個人の18歳以上のPCユーザーあるいは携帯電話ユーザーで、mixiに参加して

いない人間を探す方が難しい」

ってな状況に、現在はなっちゃってます。

そういう現状で、件の新利用規約18条なんてのを出して来るってのは、

やっぱりこれは「大企業の傲慢さ」としか自分には思えない。

企業なんてのは大なり小なりいくらかは傲慢なもんですが、

このユーザーのナメ方はひどい。

「ふふふ。何だかんだ文句は言っても、結局、退会しないんだろ?ユーザー数が

これだけ多いし、何かと便利だしねえ」

というmixi運営陣の内心の呟きが聞こえて来る様で、実に不愉快な気分になる。

(あながち「一方的な被害妄想」とばかりも言えないと思う)

私の現在の立場は一応、「零細企業の役員」なんですが、まあこちとらは零細だけに、

「顧客を一人逃がすと、結果的に10人逃がす事にもなりかねない」

という世界でやってる訳です。だから否が応でも「お客様が第一です」という理念で行動するしかない。

ましてや、こっちの都合で顧客を好き勝手に扱ったりなんかとてもできません。

で、結局は「怨念戦隊ルサンチマン」ならぬ「零細企業のルサンチマン」に帰結してしまうんでしょうけど

、ぶっちゃけて言えば、

「大企業化したアンタらの官僚的体質が気に食わんから、退会してやる。少なくともオレ個人は」

てな次第です。

4月1日までにmixi運営陣が新規約18条を撤回すれば私の気持ちも変わるでしょうが、

その可能性はどう考えても低いですし。

まあヒト一人の固体の寿命なんて短いもんですからね。不愉快な物はなるべく回避して

生きていきたいものです。さらば、1300万人を統括するビッグ・ブラザーよ。

では本日の動画は、多分ウチらの世代にだけなつかしい、

ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの

「 I had a dream , Joe 」で。



いやまあ、一応ノイバウテンつながりっていう事で。

ついでに、急に自分がこれを聴きたくなったんで。

この曲が入ってるアルバム、「Henry`s Dream」が出たの、確か私が21歳の時だったかな。

大学3年生・・・・・・・大昔ですな。